「はぁ……はぁ……」 綺麗な濡羽色の髪をした少女は、嫌な夢を見たような気がして飛び起きた。 怖くて思い出せないが、とにかく嫌な感じがしたのはしっかりと覚えている。 こんな事は小さい子供の頃以来だ。どきどきして胸が痛い。怖かったけれど瞼は重い。 窓の外は明るいが、時計はまだ4時半を差している。 寝汗で下着が肌に引っ付いており、じっとりとして不快だ。 ひとまず息を整えてもう一度寝ることにした。 でも何故だろう。夢は嫌な感じがしたけれど、とても懐かしくもあった。 まるで幼少期よりも前、生まれる前の事のように。 しかし今朝は、ひときわ窓の外のカラスがうるさい。 何か悪い事でも起きていないといいが。