澄んだ空に瞬く数多の星
都会じゃこんなキレイな空は見られない

なのに何故こんなにも虚しいんだ?



歪んだ時間と狂った世界

第03話
平穏



そして夜
一通り議論を繰り広げた後、就寝の準備へ取り掛かった


部屋割りは、行動を共にしているメンバー

Aグループ:谷さん、斎藤、山城
Bグループ:俺、蟹澤
Cグループ:松野さん、向山さん、『高杉 真奈 (たかすぎ まな)』さん

計3グループ
部屋の代わり自体は、乗ってきた船みたいなのにテントがいくつかあった
片道分しか燃料がなかったから、帰ることは出来ないんだけど・・・


部屋の用事を全て済ました俺は、ノンビリと星空を見上げている


「隣、いいかしら?」
不意に背後から声をかけられる
松野さんだった


「ん? あぁいいよ」


凄く気まずい・・・
俺の横に座ってから、松野さんは空を見上げるだけで
何も喋らない
考え事でもしているのだろうか?


「松野さんはさ・・・星とか見るの好きなの?」
あまりの静寂に耐えかね、思い切って話題を振ることにした
しかし、返事はない
「松野さん?」


何時間も経ったような、数分間・・・いや数秒だったかもしれない
ふと我に返ったように、松野さんは一言



「ごめん、寝てた」


俺も20年以上は生きているつもりだが
目を見開いたまま寝る人を、多分初めて見たと思う


「・・・ここだとキレイに星が見えるんだね」
こちらの動揺などお構いなしに話は進んでいく
「きっと空気がきれいなんだよ、ここは」


それから、俺たちは少しだけ話をした
他愛もない話・・・世間話、思い出話
子どもの頃はどんなだった?
将来の夢はなんだった?
不思議と話題には困らなかった


1時間は話し込んでいたかもしれない
さすがに眠たくなって、俺は寝る為にテントへと戻ることにした


「俺もう寝るけど・・・戻らなくて大丈夫?」
「平気、もう少しここに居るわ」





それから俺はテントへ戻ったが、彼女が戻ってくることはなかった




   

'06-05-07