それは、今からじゃ取り戻すことの出来ない“過去”なんだ
それは、もう手に届かない所にいってしまったモノなんだ
それは、いつになったら報われる?

それは一体・・・なんなんだ?



歪んだ時間と狂った世界

第05話
探索



あれから1時間後
つまり、今から4時間前のこと・・・


「さっきはあんな事を言ったが、」

と言いながら、谷さんが机の上に地図を広げた
ココに来てから作った、この島の地図だ

「この地図は私と斎藤君、山城君の三人で作ったものだ
 一応この島に、私たち以外に誰か居ないか・・・
 もう一度調べておきたい

 有山君、この地図の中で調べてない所はあるか?」


「そうですね・・・
 この辺りは、まだだと思います」

俺が示したのは、島の中央のやや北側にある山
この島の北側というのは、崖のようになっている
危険でもあったし、時間もそれほどなかったので未開状態だ


「よし、それじゃあ新しく決めたチーム
 私と高杉さん、有山君の三人で山の方を、
 向山さん、斎藤君、山城君、蟹澤君の四人で周囲を・・・
 それぞれ調べよう」




「もしこれで成果がなければ、残念だが私たちの中に居るという事だ」

出発前の、谷さんの一言だ
『何が』とは言わなかったが“犯人”の意であることは明白
やはり、俺たちの中に“犯人”が居る・・・と疑っているのだ




そして、現在に至る


少し整理してみよう
松野さんの死体を見つけたのが朝の10時ごろ
その後口論したり、遺体を運んだり・・・で11時半にはなっていた
これからの打ち合わせみたいなことをして、11時45分

昼飯を食い、出発前に谷さんの指示通りに分かれて・・・
テントを出発したのが、1時ごろか


集合時間に間に合うように戻るには、そろそろココを下りるべきだろう

「谷さん、そろそろ戻りませんか?」
「あぁ、そうだな・・・」


「高杉さーん、そろそろ戻るよー」
「はーい、今行きまーす」

迷子の様に彷徨っていた高杉さんにも声を掛け、山を下り始める

・・・・・そういえば、高杉さんが喋るところを見るのは初めてだ



さっきの場所からテントまで、歩くと2時間は掛かる
と言っても、迷いながらではあるが





周囲を探索していたチームは、既にテントに戻っていた
が、何やら不穏な空気だ・・・テントの中から斎藤の怒鳴り声が聞こえてくる




   

'06-05-09