「外部犯ですか・・・」
「断定は出来ないがな」
「・・・もし、内部に“犯人”が居るとしたら
誰が一番怪しいと思いますか?」
「そうだな、一番あり得そうなのは・・・」
一通りの話も終り、
冷めてしまったコーヒーを啜る
「そういや谷さんって、どれだけ寝たんです?」
斎藤の・・・言い方は悪いが、
“後片付け”をした後、皆は一旦テントに戻った
それでも、俺と谷さんだけは
最後まで起きていたようだった
間近でアレを見てしまえば、
眠れなくて道理かもしれないが
「・・・2時間ぐらいかもしれん
歳を取ると早く目が覚めてしまうものでな
決まった時間に起きてしまう」
「歳を取るって・・・ 幾つなんですか?」
尋ねてみる
「今年で、60になる」
全てが、凍りついた気がした
つーか、
「マジですか!?」
俄かには信じられない・・・谷さんが60歳!?
「冗談だ」
全てに・・・裏切られた気がした
* * * * *
「私の友人に、『嶽本 亜貴 (たけもと あき)』という男がいる」
特に意味もない談笑状態
そんなときに、谷さんは口を開いた
「仲間内では『アキ』と呼ばれていたが
彼には、『未来が視える』らしい・・・『夢』という形で」
「それは、正夢ってやつじゃないんですか?」
「私も詳しくは知らない
ただ、『出来事』が視えるんだそうだ
そして、見えたことは必ず起こる」
未来が視えるなんて、夢みたいな話だ・・・・・夢なだけに!
「彼はその現象を“録画”と呼んでいた
どういう意味かよく分からないが、そう呼んでいた」
「“録画”か・・・
どういう風に喩えたんでしょうね、その人は」
「・・・もしかすると、そのままの意味かもしれないな」
「それって、どういう意味です?」
「さて・・・な」
はぐらかされてしまう
外から、みんなの声が聞こえてきた
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'06-06-01