一夜明けると、
昨夜までの雨風が嘘の様に晴れ渡っている

谷さんという司令塔を失った俺たち・・・
山城も含め、一晩で三人が犠牲となった



歪んだ時間と狂った世界

第13話
意外



当然のことながら、昨夜は全く眠れなかった
食欲なんかもありはしない
朝になって、何とか軽く食事を済ます



そして今はとりあえず、皆の死因とかをまとめてみた

松野さんは『出血性ショック死(刺殺)』で、
斎藤は『事故死(推測)』、谷さんは・・・爆死
山城はまだ見つかっていないから、何とも言えないが

向山さんの死因もよく分かってない



「で、残ったのは3人か・・・」
「どうするんスか?
 このままココに居てもしょうがないっスよ」
そうだ、既に5人が死・・・殺されているんだ
どうせ逃げられないのなら、今更複数で行動したって意味が無い




結局、単独行動自体には高杉さんも異論は無いらしい

一旦、昼に戻ってくること
等の約束をし、好き勝手に動くことにした


 *  *  *  *  *


高杉さんは、一応ココに残るのだそうだ
それなら・・・ということで、昼食の準備を頼んでおく



「おーい、早くしろよー!」
「今行くっス!」
単独行動をすることにはなったが、途中までは蟹澤と一緒だ

入り口を出た所で蟹澤を待つ
高杉さんは近くに流れている川へ、水を汲みに行っている
そんな状況で、どうにも釈然としない点があった


何故俺たちは平然としていられるのだろう?
ということだ

現時点で5人・・・少なくとも4人の死亡は確認している
明らかに殺された、としか思えない人もいる
なのに俺たちは、それを全く気にしていないのだ



などと、ボーっと考えていると

擬音で表現するのなら、『ガンッ』とか『ドンッ』みたいな
何かに物をぶつけたのか、或いは何かに殴られたような音が―

「蟹澤!?」

―小屋の中から響いてきた


イヤな考えが脳裏をよぎる・・・
急いでドアを開け、部屋の中へ
そこには蟹沢が倒れ、呻いている






「下駄箱の角で足の小指を・・・!」

・・・心配した俺がバカみたいだった




   

'06-06-24