「人は・・・
 永遠に生きられたら何をするんだろう」

「何もしないだろうさ
 時間が有り余ってるってことは、
 やりたいことはいつでも出来る・・・ってな」

「ならお前はどうする?」
「・・・死ぬ方法を探すね」



歪んだ時間と狂った世界

第17話
衝撃



居ない

部屋の中は一通り見回した
小屋の中で隠れる必要など、特にない

小屋自体は、それ程大きくもない
部屋数は5つ、台所と呼べる部屋を含むと6つ
まぁ台所は使ったことないが

普段集まる時は、入り口から入ってすぐの部屋を使う
『入ってすぐ』とは言っても、玄関っぽいトコを通ると、
左手に階段、右手に奥へと続く通路
つまり、その通路の先である
台所はその部屋に隣接している

階段を上がり、真ん中に通路を挟んで両脇に2部屋ずつ
図に描いた方が説明しやすいな・・・
上の階に4部屋、下の階に一応1部屋
計5部屋、という間取り

2階にある部屋は結構広い
では何故この部屋を使わずにテントを使っているのか・・・
と、疑問に思うかもしれない
これ別に不思議でもなんでもない
ただ部屋が埃まみれで、掃除する気にもなれなかっただけだ
どういうわけか、1階の手入れはされていたのだが



とりあえず1階の、台所兼集会場に誰かが居る気配は無かった

雨に濡れ、土足のままではあるが
俺は2階へと駆け上がる

普通、ここまで酷い格好で家の中を走り回ってたら怒られる
“普通”という言葉に苦笑する
俺たちの置かれている状況は、もう“普通”でもなんでもない

それでも、俺は怒られたかった
今この場で高杉さんが出てくるならそれでよかった


通路の右側、左側・・・
その奥の右側、左側・・・

どの部屋も、やはり人の気配も無い
もう冷静では居られなかった
急いで階段を駆け下りる、後は小屋の隣にあるテントだけ

階段を下り、玄関っぽい所へ
途中、靴が片方脱げてしまう
つい反射的に振り返り・・・衝撃
思わず屈みこむ





「げ、下駄箱の角で小指を・・・!」

靴下のおかげで痛みはマシだった・・・これでは蟹澤と同じではないか




   

'06-07-22