小指に奔る激痛に耐えながら、小屋を出る
因みにテントは、小屋の両脇に建てておいてある

念の為に両方のテントを探すことにする


何とも言えぬ不安が、重くのしかかってくる



歪んだ時間と狂った世界

第18話
発見



無情にも・・・というのか、予想通りというか
出来るだけ、考えたくはなかった予想だったが
彼女たちのテントは蛻の殻だ

次は俺たちの使っているテント
この期に及んで尚
高杉さんが生きていることを望む自分に気付き、苦笑する

俺はただ、一人になるのが恐いだけなのだ・・・きっと



やはり、テントの中には誰も居なかった
現時点で、高杉さん以外の人間がそこに居たら
それはそれで恐ろしいことなのだろうが・・・


小屋には誰も居ないことを確認した、勿論テントにも
だからと言って、このまま小屋で待っている訳にもいかない

一先ず、辺りを探すことにする


 *  *  *  *  *


彼女は、意外にもすぐに見つかった・・・
死体として、ではあるが


その場所というのが、近くに流れている川の岸だった
つまり高杉さんは、俺たちが出掛けてからすぐ
或いは、出かけた時には既に・・・死んでいた
というのも、昼食の用意もされておらず
水を汲む為のバケツを持っていたからだ


彼女の死因はよく分からなかった
ただ、見た目と地蔵のことを思い返してみると
銃殺なのかもしれない

そうだとすると、心臓付近を貫通
ほぼ即死だろう

こうして、この島には俺しか居なくなったわけだ・・・


 *  *  *  *  *


小屋へと引き返す

今日は一日、ずっと走っていたような気がする
というか走っていた
これ程走り通した日は、後にも先にもないだろう
俺に先があるとは思えないが


空腹を訴えている
それでも何かを食べる、という気にはなれそうになかった

身体に纏わりつく衣服が気持ち悪い
とりあえず着替えて寝てしまおう

ボーっとした頭のままで着替え、寝袋の上に倒れこむ


目が覚めたら何事もなく日々が過ぎている・・・
そんな事がならどんなにいいだろう、と薄れいく意識の中で考えていた




   

'06-07-23