歪んだ時間と狂った世界

蛇足




時の流れを、一般に“未来”と呼ぶ時の流れを表現するのならば
それは“道”だ

我々は幅の広い、大通りを常に進んでいる
後ろを振り返りはしても、引き返すことなどしない・・・出来ない
あるいは出来るのかもしれない、その術を知らないだけかもしれない
兎に角進む


流れる“時”は一方向
しかし、流れは“道”だ
当然のことだが、細い小さな裏道、脇道、裏通り・・・
これらも同時に存在することになる


よく『未来は決まっている』だとか、『それは運命だ』とか―
馬鹿馬鹿しいことを口走る人が居る
もし先のことを知る術を持っているのならば、そんなことも分かるだろう
それでも現実には無理だ


故に、決まっている云々はほぼ間違い
ところが、その全てが間違い・・・という訳では決してない
起こり得る“要因”、それ自体は存在する

そして大抵の場合、其処に辿り着いてしまう
というより、予めその要因は散りばめられている
或いは、其処に繋がる“道”を我々は進むのかもしれない
それが自身にとって不幸なことであれ、幸運なことであれ・・・だ


しかし稀に、その“道”を歩まない者達が現れる
真っ直ぐに進んでいるつもりでも、脇道に逸れてしまうのだ
勿論それは、余り歓迎すべきことではない



この手の者達は“因子”と呼ばれる
基本的に彼等は放っておかれる
単数であれば、それほど害などないからだ
『単数であれば』・・・の話ではあるが


この“因子”が、同時間軸上に、ある一定数以上の数が存在することは危険だ
本人達に自覚はない為、脇道に逸れてからでなければ対処できない
よって、その定められた・・・危険とされる数の一線を越える前に、その数が少ない内に
“因子”は“処理”される

こういう事態は今までにも在ったし、これからも起こるだろう
この世界に、真の意味での平和など存在しないのだ


 *  *  *  *  *


『例ノ“因子”8名ノ“処理”ヲ完了シタ』
その声は暗く、深い闇の中へと、吸い込まれるようにして消えた




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'06-08-06