なにもないあたしの世界を救ってくれたのは

紛れも無いあなただった




   HERO 「出逢い」




「よーっし、今日は席替えだーっ」


やったー!やだー!の声が行きかう教室

そこにあたしは身をおいていた。

高2の初めの席替え。

となりのやつはあまりさえないやつ。

といってもあたしも十分影キャラなんだけど


「先生がもう席決めてるからな!!」


そういってでかい紙を黒板に張り出した。

あたしの席は一番後ろ。よかったような悪かったような。

えー・・・と隣は。


「速水 准っていうから、よろしくな」


いきなり声を掛けられた。驚いてちょっと身を引いてしまった。


「あぁ・・・よろしく」


爽やかな体育会系。あたしには合わない青年だな。

そう思ってから机をガガガガガガガと引きずりながら移動した。

席に座ってからいろいろ先生が話し始めた。


「ケータイ持ってる?」

「え?持ってるけど?」

「メアド交換せぇへん?あとケー番も」


といわれた書かれた紙を渡された。

ケータイを取り出して、登録する。


「んじゃ・・・今からそっちにメール送るから」


ケー番入りメール送信・・・。


" ヴー・・・ヴー・・・ "


『登録完了、よろしくな』


「なんで、こんなことメールで」

「え?ええやんええやん。送ってこられたの返さな気ぃすまへんねん」

「あぁ・・・そう・・・」


1時間目終了。

なんか別になにもないなぁって思う。

どうせ、席替えしたからってなにかが変わるわけでもないしねー。



「准ーっ!!こっちきて喋ろうぜーっ!!」

「あー!!分かったー!!」



気が付いたことはこいつが人気者なだけ。

別になにもないんだけどね。ただそれだけ。



  あ た し に は な に も い ら な い ん だ よ 





放課後・・・。

いつものように誰も居ない教室に残る。

親は家にいない、共働きで夜まで帰ってこない。

どうせ家に帰っても1人の家が見にしみるだけだから学校にいつも残っている。

ゲーセン行くお金もないしね・・・。




「おんや?未だ残ってんの?」




速水?なんでこんなところに。

ここはあたしだけのとっておきの空間。

放課後の教室は・・・。




「あんたこそ、未だこんなところにいるの」

「あぁ、俺一応サッカー部だし」



サッカー。爽やか人気青年が似合うわけだ。

きっとその中心人物なんだろうな。

あたしとは正反対だ。



「それに、忘れ物もあったからさ」

「へぇー・・・」

「お前はなんでこんなとこにいんだよ」

「え?」



なんて答えようか。別に同情してほしいわけでもないからな。

あたしのこと話しても・・・しょうがないしなぁ。

なんて答えよう。



「気分・・・かな・・・」

「あぁ?なんだそれ」





あいつが笑った。

なんだ、結構カッコイイじゃん

笑ってる男子の顔ってなんか好きだな。




「部活もやってないんだったら、家に帰ればいいのに、前もいたろ、教室に」

「なんで、あんたがそんなこと知ってんのよ」

「前も忘れ物したからなぁ。あ、未だお前いんの?ここに」

「下校時刻まではねぇ。いるよ?それがなんか?」

「んじゃ、下校時刻。絶対ここにいろよ」





はぁ・・・?

そういう顔をしたがもうあいつは去っていた。

絶対なっと言わんばかりにあたしを指をさして・・・。





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