キーン コーン カーン コーン 「部活をやっている人は、すぐに帰り支度をして帰りましょう」 校内放送が校舎に響いた。 HERO U 「大切な人」 教室に差し込む日差しが傾いてきて。 だんだん赤くなっていく。 この太陽の移り変わりを見るためにあたしは毎日教室に残ってるのかもしれないなぁ。 自分の影がだんだん伸びていく。 何を言っても誰も答えてくれない教室。 昼間はみんながいて、がやがやしているのに。 いるのは自分だけで。 静かで、孤独で、誰も居ない。 そんな教室のギャップが好きで、居るのかもしれないなぁ。 学校が嫌ならこないなぁ、アタシの場合。 嫌なものから逃げてきた自分の人生を見つめ返していた。 その静寂を破ったのはあいつが教室のドアをあける音だった。 「おぉ!!ほんとに居る!!」 「あんたが待っとけって言ったんでしょ」 人を待つことは苦しくない。 それを目的としてないからかもしれないなぁ。 考えてることが好きなのかもしれない。 逆に考えないで行動するのは苦手。 あいつはあたしの正反対なんだなぁ。 「で?なに?こんな時間まで待たせて」 あたしに限って告白なんてことはないしさ。 こんな影キャラ。誰が好きになるんだよ。って笑っちゃうぐらい。 それに向こうは人気者。きゃーきゃー言ってる女子は見ないけど 目を奪われてる女子は何人もいるんだろうなぁ。 興味は無いけどね。 「一緒に帰らないか?」 何を言っているのか分からない。 きっとなにかの聞き間違いなんだ。そうなんだ。 あたしと帰るわけがない。 聞きなおしてみよう 時間をあけて聞いてみた。 「・・・・・・は?」 「いや、だから一緒に帰らない?って」 ほんと・・・なんだ。 でも男子と一緒に帰ったことなんてないし。 それにこんなやつと帰ればクラスの目が変わるだろう。 人気者だから少女漫画のように虐めたおされるかもしれないな。 「無理無理。クラスの連中に見られたらどうするつもりよ」 「そんなの関係ないじゃん」 「・・・は?あんたは良くてもあたしは駄目なんだよ。別のやつに頼んで。あたしじゃなくてもあんた人気者なんだからほかの女なんて・・・」 そういってカバンを持ってあいつの横を通ろうとした。 丁度、横を通り過ぎたところで・・・ "ギシッ・・・" !? 手首を握られた。 「お前が好きだから」 時間が止まった気がした。 3話へ