ありもしない出来事を空想する ただ、目の前の現実が辛くて それは、逃げるように目を瞑り思い描く。 今日もまた、その繰り返し 空想少年 もし、なら、たら、れば。 その全てを現実に変えることが出来るのならば、それはとてつもないことだろう。 もし、あの人が生きていたら。 あそこで、ミスを犯していなかったら。 あんなところの道を曲がらなかったなら。 道端に100円が落ちていれば。 あと、少し世界が平和なら。 僕たちはどんなに平和なのだろう。 人の思い描くことだけで、全てが変われば。世界はどうなってしまうのだろう。 「なにやってんの?」 「空想」 ある日、僕はこの人に出会った。名前はまだ聞いてない。 ただその奔放さに惹かれた。 何故、そんなにも自由に生きていけるのか。 何故、そんなにも何も気にしないで生きていけるのか。 何故、そんなにも強く生きていけるのか。 不思議で仕方がなかった。 ただ、目の前のことをひたむきにする。 そのことがうらやましくてしょうがなかった。 「空想?楽しい?」 「自由に世界を変えられるのは、頭の中だけだよ」 僕はぼやく。 でも、それを受け止めてくれるのは君。 どんなことも、僕と一緒に居てくれる。 ただ一人、唯一の友達だから。 そう思ってるのは僕だけかな。君はそうは思ってくれないのかな。 そんなはずはないよね、だって毎日会いに来てくれる。 「でも、現実を受け止められることも素敵だよ」 「なんで?」 「目の前を受け止めることがどんなに辛いかわかる?」 わからない。そんなことしたこともないから。 思ったことなんてないから。 いや、そんなはずはないよね。 受け止めきれない僕が逃げる道が空想だもの。 「何れ分るようになるよ」 「そうかな」 「君はもう分ってるのかもしれないね」 何を言うんだろう。この人は。 何もない世界の中で、受け止めるものも何もない。 ただあるのは君と僕の存在だけ。 「ねぇ。いつまで逃げてるの?」 「・・・」 「なにも、こうしていたって変わらない」 「・・・」 「そんなこととっくに分ってるくせに」 「なんで、なにもしようとしないの?」 「煩い」 そう言って、僕は君を殺めた。 手に持った拳銃の引き金を引いて。 この前は、刺したっけ。 もう戻ることのない君。 でも、この世界でならいくら死んでもいくら殺めても君はいつも戻ってくる。 いつものように笑いながら。 でも、最近君の顔が霞んでいく。 もう君に逢えることもなくなってしまうのかな。 ありもしない出来事を空想する ただ、目の前の現実が辛くて それは、逃げるように目を瞑り思い描く。 今日もまた、その繰り返し 今日もまた、その繰り返し。 君がずっと消えることがないように。 // どんなに目を背けたいことがあっても、それは事実で。 // いつかは受け止めなければいけないこと // そんな分りきったことでも、背けたくなるのです。