もっと傍に居ろよ


 おまえのコトが好きだから。



   By little Romance




「拓、一緒に飯食おうぜ。」

「あぁ、いいよ」



俺の名前は浅川 拓。男。現在中学3年生。

いわば、受験生であり思春期の俺。

いろいろな方面の好奇心もある。

そんな俺が一番やってみたいのが恋愛というやつだ。




「拓って彼女おったっけ?」




こんなに調子よく人の心を射抜くとは・・・。

ちなみにこいつは坂井 将。

同じクラスの男子で、恋愛と言う観点ではけっこうもててるやつ。

5人に告って、全員OK。しかも3人から告られてる。

俺が知ってる中で付き合ったのは6人ぐらいらしいけど。

まぁ、そういう意味では " 達人 " なのかもしれないな。




「一回も付き合ったことなんかないよ」

「えーそうやっけ?んじゃさ」





そういえば、俺のことはこいつには何も言っていないなぁっとそのとき思った。

勿論それは相手に言えるわけはないのだけれど。






「好きな人は?」






・・・どうしよう。実際はいる。確かに居る。でも言いたくはない。

ばらされるのが怖い。人に言われて告ってもないのにフラれるのはよくあることなんだ。

それに、いえるわけが無い。恥ずかしすぎる・・・。

でも、コイツなら―――





「いるよ?」

「えぇ!?馬路で!?だれだれ」

「中杉 灯」






キョトンとしてる、そりゃカワイイ系の娘さ。

でも好きになったんだ。それはどうしようもないんだよ。





「めっちゃ倍率高いで?好きっていうのめっちゃ聞くし」

「あぁ、そうなん?でもまぁ、好きになってしまったからな」

「なんか男らしい一言やな」

「そうかな?」





二人で笑う。勿論笑ってられる状況ではないことは自分でも分かる。

でも、ただ見ているだけで。ただ普通に喋ってるだけでそれだけで楽しいと思える自分がいるんだ。

だから、これ以上の関係を求めたくはないし、考えられない。

でも、以前に付き合ったと聞いたときは少しだけショックだった。

誰かの物になってしまって喋るのが減ってしまったのもあるし。

なにより中杉と喋ってる間はほとんど彼氏のことばかりでつらかった。

でも聞き入れた。中杉にとって " いいひと " として思われたかったのかもしれないな。






「まぁ、お前はある意味中杉と距離が近いから告りやすいかもしれんな」

「・・・そんなもん?でも友達として既に成り立ってるからさ。逆にしにくいのかも。」

「そういうこともあるのか」

「うん、っていうかなんやろうな。友達だけでいいかもしれん」


「  そ れ は ア カ ン よ ! 」








将は声を張り上げていった。

まぁ、周りはそれぞれで喋ってるから気が付かない。

それはそれでよかった。うん本当に。









「なんで、アカンのよ」

「だって、それ以上求めらえへんねんやったら一緒に帰ることですら出来ひんのよ」

「まぁ・・・確かになぁ。でもそこまで」

「アカン!もっと求めやなアカンの」

「そんなもん?」

「そんなもん」






気持ちが揺らいでいく。



そうか、俺はもっと正直に。







    ス キ だ と い う こ と を 言 え ば い い ん だ 。