これで 最後だ 。
みんなの 想い 。 全てを 懸ける 。
殺人遊戯 −仲間−
「フザけたことをしてくれる」
「自分の・・・仲間を盾にしたのか・・・!?」
メガネを服で拭きながら、それをまた掛けて。
そして、にやついた顔で言った。
「仲間?笑わせる。ただ一緒に動いてただけ。目的が一緒だっただけ」
淡々と喋るこいつが許せなかった。
目的が一緒でずっと一緒に居たんだろうが。
今までにない感情が吹き出た。
「そいつを仲間って言うんじゃねぇのかよ!」
「違う。ただ利用しただけ。デカ物はな、いづれ自分の盾になると思ったからだ」
「・・・!!」
「それに、生き残るのは最後ひとりだけ。なら死んでくれたほうがありがたい」
またにやっと笑みを浮かべていった。
それの顔は解せない顔で、ヤツのいってることに理解することができなかった。
「名前を言おうか、僕の名前は斎場 智紀。自分を殺した相手の名前を知りたいだろうからね」
「・・・な!」
「一生、心に残る思い出になりそうだよ」
「腐った野郎がっ!」
こんなヤツに高峰が麻野が近藤がやられたなんて。
感じたことのない怒りが全てを動かした。
「絶対許さねぇ!」
「何をあつくなってるんだい。君も同じだろう。
仲間だ何て初めは思ってなかった。ただ利用できると思っただけ」
「違う!」
「違わない。君は初め確かにそう思った。1人より大勢のほうが殺しやすい。そう思った」
「・・・」
「同じだよ、君も僕も」
苦しいけど、一緒だった。
確かに言い方を変えればやつと同じ、「利用価値」があったから。
でも、それは違う感情になった。
今の俺と アイツとは 全く 違う!
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
" バババババババババン!! "
「図星だから、逆上したかい?」
やつは攻撃をきれいにかわしながら、笑みを浮かべた。
気持ち悪いやつめ!
「うるさい、俺と御前では違う!仲間を仲間と思わないやつだなんて!」
「へぇ。今は思ってるのかい?仲間と」
" ババババ!! ババババン!! "
2つの銃声が森を轟かす。
風はなく、あたりは銃声だけが聞こえている。
音は何もない、何もない空間で二人だけの銃声が響いている。
人も 高峰も 麻野も 近藤も 誰もいない世界に俺はいる。
「御前に勝つ!絶対!そして現実へともどるんだ!!」
足も何度も撃たれている。
腹も何度も撃たれている
手も 肩も でも、それでも死なない。これはゲームだから。
最後は急所を狙わないと意味が無い。意味が無い。
「ぐっ・・・」
それでも痛みはある。
撃たれたときの痛み、血が流れる痛み。
時が来ればそれは無くなる、それまでの我慢だ。
" ドンッ "
打ち合いの末に響いた一発の重い重い弾丸。
回転しながらぐちゃっと皮膚にのめり込み
肉を引き裂きながら進み、人の中心をも貫き
背中からそれは出てきた。
それは血を身に纏いながら、一直線に森へと消えていった。
「はっ!はっ!!」
必死に肩で息をしながら、そいつはまだ生きていた。
自分も肩や、手や、足を打ち抜かれている。
それに痛みはなかった、けれど少しの痛みが胸から湧き出てきた。
初めて人を殺したときのあの痛みのような。
「っっっっっっ勝ったぞおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
島全体に響くそれはサイレンのように、ずっと聞こえていた。
雄たけびが鳴り止むことはなかった。
斎場は倒れたまま、力尽きていた。
胸にぽっかり穴を開けて。
するとみるみる足から塵のように消えていくのが見えた。
これが このゲームの 敗北者の 姿。
「よく、戦い抜いた」
目の前には先生がいた。
「まもなく君たちのこれについての記憶は無くなる。その前に言いたいことはないか」
「大丈夫です、此処で培ったことは何も消えません。なにも」
そう、俺がなくしていた感情を取り戻したことはなにもかわらない。
このことが俺らを応えに導き出してくれたことは何も変わらない。
「やっと、ついたー!」
バスから高峰が一番に降りて、うんっと背伸びをする。
「いやー、きつかった。俺気づかないうちに眠ってたよ。な。佐藤」
「そうだな」
「はやく、行こっ」
「おーい、こっちで一緒に飯食おうぜ」
そう あそこで あったことは 忘れてしまっても
あそこで 知った 仲間のことは 絶対忘れない
ずっとずっと
記憶を消されても、きっと心の中にある"なにか"の存在までは消えない。
それがある限り、絶対心は忘れることは無い。
テキスト