" やれるのか "

やる。壊してみせる。

" 覚悟はあるのか "

ある。だって、アイツはあたしの大切な人を・・・!




    死神




「・・・ヤツが現れた。分かるか?」

「はい、死神様」



あたしの名前は、アリス=リード。

死神見習い2年目。

師である死神様にこの2年間鍛えられた。



「今のお前に、ヤツをやれるとは思えん」

「やらせてください、お願いします」



そう、あいつはあたしの大切な人を奪った人。






『 お父さん!お母さん! 』

『 逃げなさい。今、食い止めるから! 』

『 いやだ、お父さんお母さんは置いて逃げるだなんて 』

『 はやくするんだ、呪文をかけてやれ 』

『 イルホーテッド 』


『 やめて!お母さんお父さん! 』




「 もう 茶番は終わりですか ? 」








ビクッ・・・。

体が震えている、あの日お母さんとお父さんは殺された。

あいつ、フランケンシュタインによって。




「震えているな、大丈夫か」

「・・・はい、では行ってきます」




今日、あたしはあいつを壊す。

この鎌で。あたしの心で。復讐するんだ。

お父さんとお母さんの敵討ちを・・・。



" お前、出来るのか? "

「やる、だって。だって今あたしに出来ることは・・・」

" そうか・・・ "



あたしの武器、鎌。

その鎌の名前は「トムリゼル」

あたしのパートナー。

トムリゼルは生きてる、生きてる鎌なんだ。




「 おや 君は 」






小さな公園にヤツは居た。

フランケンシュタインは悪魔を作る科学者。

そう教えられて、いつも逃げていた。

でもあの日。あたしの所為で逃げられなかった。

あたしの所為で――――





「今こそ、お前に復讐する」

「復讐者 ですか。 久しぶりですね ゾクゾクする 」






ケラケラと笑い始めた。

君が悪いその笑い声はあたしの記憶をゆさぶった。

あの時お母さんがかけてくれた、瞬間移動の魔方陣。

そこから見たアイツはこんな風に笑っていた。

あれが無ければあたしは死んでいた。いや、そのとき死んでいれば良かったんだ。

でも、今あたしが出来ることはヤツを壊すことだけ。






「いくぞ・・・」

「どうぞ 10秒 君にあげましょう」



「リゼル行くよ」

" ヤツを殺すんだろ "

「うん」





"「 バグハーツ 」"





鎌が巨大化する呪文。

縦に降った鎌はナットが刺さった頭目掛けてふってきた。






「10秒」






バシッと手で掴まれたその鎌は呪文が切れてもとの大きさにもどっていった。

手に傷はひとつもついてなかった。

そんな馬鹿な・・・。






「おんや この波長 。 どうやら あの 夫婦に 似ている ね」






背筋が立った。気持ちが悪い。

なんだこいつは・・・。







「 そうか キミは あの 夫婦  の 子どもかな ? 」







口元が揺るに目をカっと開け、ニタァと笑った。

恐怖で動くことが出来なかった。




" 目を覚ませ、アリス。両親の仇を討つんだろ "


「無理無 理。 キミには 恐怖が 埋め込まれているから ね 」



" 立て!立たなければ死ぬぞ! "



「さぁ、そろそろ殺しましょうか」





声がノイズがきれたようなはっきりとした声に変わった。

あのときの声と一緒の・・・





「ひとつ試作品が出来てね。試そうと思うんだ。だから研究所から出てきた。
 キミの親に試したのはbV6。あれからすごい月日が経ったよね。
 今日はそのbV6の改良版でもあり、記念すべき100体目の悪魔だ。来い、エクセル」





ガシャンと地面がなった。

顔を上げるとあのときの悪魔がいた。

大剣を奮い、上から見下ろすその巨身兵。


エクセル――――






「あ・・・あぁぁ・・・」

「どうだい、優雅だろう?このボディ。なにものにも変えられないなぁ」

『 ウオァゥエオアァゥアァ 』





それはまるで悲鳴をあげているような声だった。





「うわあああああああああああああああああ」





無駄夢中でリゼルを奮った。

ただ目の前の怪物目掛けて奮った。

けれど、それはまるで効いていないように怪物は立ちはだかっていた。

鎌の刃がかけていくのが分かった。

それでも奮った。





「うああああああああああああああ!」

「もう、終わりかい?」





息も切れ。もうどうしようもなくなった。

あぁ、殺されるんだ。そう思った。





" なんとかしろ、アリス "


「もうどうしようもないよ・・・だって、強すぎる」




怪物が近づいてくる。

顔を上げなくても分かる。

足音で。






『 アリス・・・ 』




え・・・。

お母さん・・・?





『アリス、これを壊しなさい。今ならお父さんと一緒に体を抑えることが出来る』






まさか・・・お母さんとお父さんは・・・!






『そう、この体に取り込まれた。だから壊しなさい。もう何も心配はいらない。あの技で』





お母さんが居るってわかってるのにそんなことできないよ!





『やるしかないんだよ。アリス。今お父さん達を楽にしてくれ』














 もう 考える 余裕 なんて どこ にも 無かった


 ただ、目の前がにじんで見えた。










「いくよ、リゼル」

" 覚悟を決めたか? "

「うん。」

" もう一度聞く。やれるのか? "

「やる。壊してみせる」

" 覚悟はあるのか? "

「ある。お父さん達を救うために!」








「 ・・・鎌が光った? 」


「" はぁああああああああああああああ "」


「ものすごいパワーだ。これならあのエクセルをも壊せる力かも。そうはさせないけれどな」


「" はあああああああああああああああああ "」


「リードラフト!!」





魔術を吸い込む呪文。

そんなのもう聞かない体質にもなっていた。






「いくよ!」

" あぁ "




"「 バグハーツ!!! 」"






一つの切込みがエクセルの胴を切った。

あと1人、フランケンさえ倒せれば!





「お父さん、お母さん見ていてください。あたしたち最強の技を」

" やるんだな "

「えぇ!」






"「 業火爆雷飛翔漸 」"



「馬鹿な、エクセルをも倒し。それに私をも倒すだと!?許せぬ!」









フランケンはもうそこにはいるはずもなかった。

お母さんの「アリス」と呼ぶ声だけが聞こえた気がした。