" みんなで一度一泊でいいですから旅行なんてどうですか " 今思えば全てはこの発言から始まった ---縞side--- ------------------------------------------
縞:それじゃどうしようか、今度のオフ会@一泊旅行

PIE:まず行き先をしっかりきめないとですね

Mr.:二日前なのに予約とれるのか・・・?

縞:大丈夫、私旅行によく行くから会員登録してるんだよ。だからそこは融通きく

まこたん:俺もっさ○○にいきたい

PIE:○○いいね

縞:私も○○でいいよ、Mrと海苔はどうよ、特に海苔はいきなりオフ参加で旅行大丈夫?

海苔:旅行OKOK!大丈夫、友達と行くって言ってあるから

Mr.:OKさ

縞:それじゃ今から○○でとれる宿をピックアップしてくるよ、数分ROM


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このネットがはびこった時代、年齢なんて関係なく知り合いが作れる

オフ会なんていうのもネットが開始されパソコン通信とよばれていた時こそ

参加する人間も警戒して少なかったが、最近は少しでも近所だっり気があえばすぐオフ会。

どんなに遠くても会話ができて運がよければオフラインでも遊べてしまう。

その反面、オフで会った人間に殺されたり、集団自殺したりなどの事件も頻繁におこっているが

親が厳しい子供以外はそんな事気にも留めていないようだ。




そんなネットでありふれたチャットでの会話を夜中に表情一つ変えないで

キーボードを打っている私は今年22歳になる。

他の参加者は全員まだ10代で、一番下はまだ中学生だったりする。

勿論数人は親には内緒で参加という事になっているらしい。




「 いよーし、みんな集まったな、それじゃこれ電車の切符な、どっかにやるなよ 」


「 ふあ〜〜眠いしぬ〜 」


旅行オフ当日、幹事の私は皆に切符を配る

そんな中初っ端から大あくびをしながら死にそうなのはまこたん。

背は男の子としては少し低めでぽっちゃり型だ

そのまこたんに寝ておけよ!と突っ込みをいれるのはまこたんの保護者的存在のPIE。

背はまこたんより少し高めで中背中肉。


Mrと海苔はなにやら少し離れた所で何か会話しているようだ。

とりあえず私は喉がかわいたので飲み物を買いに走った。 




---PIEside---


「ここから○○って……結構遠いよな」


「行き方ややこしい、乗り換えの時起こして」


「やっぱ寝るんか」


○○までは電車で2時間弱だったか、確かに寝て起きればすっきりするほどの距離がある。

とはいえ丑三つ時が過ぎるような時間まで起きているのは明らかに起きすぎである。

あ、申し遅れました私PIEです。無駄に堅い口調ですがただのバカ高校生です。

横にいるのはまこたん。


「着いても寝てるんじゃない?」


「寝てるだろうね」


「寝るなよ、せっかくのオフ会で」


この子に勿体無い感覚は無いんだろうか。確かに会おうとすればすぐ会えるけど。


ふとそこに一人の会話が割って入った。


「で、PIEはちゃんと寝てきた?」


しかし声の位置がおかしい。完全に頭の上から声がする。

この異様な身長を持つ人物はMr.である。

私たち二人が小さいのもあるが、それにしても高い。

ムハンマドが唯一神による天啓を受けた時、たぶんこんな感じだったのであろう。

そんな高さだった。


「ああ、楽しみにしすぎて寝てないよ」


「PIEも寝てないんやん!」


まこたんが咆哮する。


「寝てないさ!寝れるわけないだろう○○で一泊旅行なんて!」


ちなみにさっきから言っている○○という目的地とは最近開発の進んだ旅行地である。

誰もが言われれば「ああ!」と唸ってしまうが、普段はあまり脚光を浴びているわけでもない。

どちらかというと少し地味な印象があるものの、

逆にあまり混んでいないだろうと思い賛成したのだ。


「ところでなんで○○?」


Mr.と少し会話をしてた海苔が聞いた。

海苔は最年少であり、私とまこたんよりもすこし背が低い程度。

初対面だったが素直で純朴そうな顔立ちをしているので少し安心した。

集合時間の15分前にはもう来ていたいい子だった。一方私は5分程遅れた。

しかし、あのまこたんが気の利いた地名を出すのは確かに私も疑問だった。


「なんか、ニュースでやっててなんとなく」


「行きたいんじゃないの?」


「ちょっといい感じだったし」


「ちょっとって……まぁ、いいとこだしいいんだけど」


そこへジュースを持った縞が戻ってきた。


「自分のためにお茶を買ってきた」


「え、私のは」


「ないよ、一本しか」


買ってくれと頼んでおけばよかった。そんなに喉が渇いていた訳ではないが非常に残念だ。


「ところで、そろそろ電車来るよ。切符持ってる?持ってるな?」


私は手を伸ばしてズボンの小ポケットに入れた切符の感触を確かめた。



---海苔side---


   「Mr.ってでかいなぁ・・・」


初対面の認識はそれぐらい。オフ会は初めて。いろいろ緊張もした。

とりあえず、俺は海苔で。この中での最年少中学生。なのにいろいろ生意気。

○○は聞いたことあるような場所。

あまり流行とかに疎いのであんまり知ってるわけでもなかった。

しかし、1泊二日か!修学旅行のちょい短い版だな!!

旅行という響きが好きだから旅行は好きだ。

夜遅くまで起きて、みんなで喋ってウハハハハと。


結構、自分的には人見知りするほうなんだが何かとこのメンバーでは気兼ねなく喋ることが出来る。

ネットで既に会ってるっていうのが一番の原因なんだろうけれど・・・。


そうこうしているうちにみんな電車に乗り込む。一泊二日だ。

荷物はちょっと重い。

肉体労働が一番きつい俺は日々の運動不足を怨んだ。

電車の切符を探す、けれど見当たらない・・・。


「ちょっと待って!切符ない!!」


「えー、無くすのはやいやろう」


まこたんが呟く。うるせーとか思いながら必死で探す。

さっきばっかだからあるはずなんだけど。


どこなんだどこなんだ・・・。



プルルルルルルルル....


やべっ、電車が発車する。

それまでそれまでに探さないと。


「電車で探せば?」


と、縞から。


そうだ、そうすればいいんだ。


確かに俺はポケットにいれたんだ。入ってるのを感じたんだから。

電車に乗り込むみんな。よし、旅行だ!!


切符はポケットの中の小さなポケットの中に入り込んでいた。  



---Mr.side---



残っているのは、俺を含めてあと3人・・・


縞さんとまこだけ


PIEと海苔は、この“ゲーム”から脱落した



「戦う覚悟は?」


辺りは静寂に包まれる―


「負ける気がしないんだよね・・・!」


勝負!!



その場に崩れ落ちる、俺


「まさか・・・そんな・・・俺のカードって、クラブの3かよ!」
 ※インディアンポーカー


まこのカードはダイヤの5、縞さんのカードはスペードの8



・・・よりによって最弱カードかよ



まぁ、最下位じゃないだけましか・・・


因みに最下位はPIEで、さっきのゲームで持っていたカードはハートの11


ついでに、海苔はダイヤの7だった



それにしても・・・


電車の中で騒ぎまくるのも、迷惑な話だよなぁ 



---another side---


電車に乗り込んでから、一同はMrの提案によりトランプゲームをすることにした。

相変わらずまこたんは眠たそうだ、いつ眠ってしまってもおかしくない。

そんな状態でトランプできるのか・・・?そう全員が思っていた。

しかしこの時、まこたんの脳みそは眠っている状態であるが故に

第6感、すなわちシックスセンスが活発になり、本人でも無意識のうちに勝ち進んでいった


PIEが脱落し、海苔が脱落し、Mrが脱落。残るは縞とまこたん

二人の一騎打ちが始まった


「・・・」

「・・・・」


両者動かずカードを見つめている、どちらかが動けばこの勝負は決まる。

そういう雰囲気で電車の一角が満たされていく。



「・・・あのさ 」


その時、重い口を縞が開いた


「 すごい勢いでいいそびれてたんやけど、私さインディアンポーカーしらんねん 」


一同が絶句した、さっきとは違う意味での沈黙が流れる



「 俺も、もっささっきから言いそびれてたことがあるんやけど 」


うつむき加減でまこたんが呟き、そして顔をあげた



「 これ、なにしてるん 」


「 こんな奴らに俺は負けたのか!! 」


「 おちついてMr!落ち着くんや!あばれたらあかん!イス全力でまわそうとしたらあかん!」


結局、ゲームに勝利したのはまこたんだった。

縞は偶然で勝ち進んだがまこたんはシックスセンス

理由はどうあれシックスセンスに勝てる者はいないのだ



「 まこたん王様やな、誰かに何かいいつければいいよ 」



まこたんはそう聞くと、怪しい笑みを浮かべた、

この時誰もがまこたんを王様にさせた事を後悔し

そしてこの後に起こる何かに震えおののいていた・・・。



---PIEside---


「んーと、なあ」


二人の「ポーカーしらんねん」発言に乗り遅れて私も知らないということを言いそびれてしまった。

なんだろうこれ。おもしろいの?適応力がないのでなんだかよくわからない間に負けてしまった。

とか考えている間に、現在の絶対的権力者であるまこたんが命令を下したのだ!


「『ポオカア』であいうえお作文して落として、PIE」


な……なんだって!


お笑いのセンスのない私がやったら絶対面白くない。

中途半端な感じになって終わるのが目に見えているのだ。のだ!


「んじゃ、海苔から。ポーカーのポ!」


「ポ?」


ポってなんだ。

あいうえお作文をやるのに一番適してない言葉じゃないか、ポーカー。

海苔が眉間にしわを寄せて考えている。

生まれて初めてのあいうえお作文じゃないか?何の記念にもならないけどな。


「ポーションよりも」


「なるほど、ポーションよりも」


よりによってポーションって。

何が続くんだろうか?


「ポーカーのオ!ミスター。」


「オ……、おーいお茶よりも」


比較対象が怪しくなってきた。


「えーっと、縞……さん。カ」


「感動的な」


そもそもなんであいうえお作文なんだろう?

ちょっと待てよ、次は私だ。考えろ、考えろ、考えろ。

ア?ポーションよりもおーいお茶よりも感動的な、ア?

飲み物繋がりで?感動的な?あ?ア?亜?哇?阿?


……いや、意味が分からない。


「ア!」


「………、阿蘇山の眺め」


な、なんだろう。これ。飲み物じゃないよね。

せめて『阿蘇山の天然水』だったらよかったのかな。

あ、『南阿蘇水の生まれる里白水高原駅』っていう日本一文字数の多い駅があるんだぜ。

『ルイス・C.ティファニー庭園美術館前駅』に文字数抜かれたけどな。

でもそんな豆知識は今通用しない。通用する空気でもない。

私の発言後、やはり車内に沈黙が流れている。なんてこった。なんてこった。なんてこった!

そこに、アナウンスが流れる。


「──本日は当電鉄を御利用頂き誠にありがとうございます。
 間もなく××駅に到着します。××線、○○線を御利用の方は──」


「……あ、乗り換えだ」


「切符持ってるな、もう一回確認しとけ」


傷ついた。深く傷ついた。

私は泣きながら他の4人と共に電車を降りて○○線ホームに向かった。



---海苔 side---


うへー・・・ポーカーってなんやねん。

意味分からん・・・っていうかなにあれ。オレシラナイヨ。


次の電車ではなにをするのだろうか。出来れば俺が知ってるやつがいいな。

っていうか、まこたん寝てるし。なにこの睡眠速度。もしかして、歩きながら寝てたりして。

ゲームなんだろう。あ、そうか


 俺 が 遊 び を 言 え ば い い  ん  だ


「んじゃ、古今東西しぃひん?」


「え、なにそれ」


まこたんが喋った。え、寝言?

ちょっとビクッとしながらルール説明。

どうやら他の人は知ってるようだった。


「んじゃ、お題は・・・なににしようか」


「料理の名前」


・・・ま・・・まこたん? 起きてるでしょ。あんた起きてるだろう。っていうか寝るなよ!



「Z・・・Z・・・」



寝てるしッ。すごいなー。これがシックスセンスか。

まこたんの秘めたる力恐るべし。



「んじゃ、俺からな。『古今東西♪料理の名前♪カレー』」


リズムよくスタート。うん、これこそ古今東西。



「寿司」 「ライス」  「そば」



えー・・・と次は俺か・・・。



「カツドン!!」



まこたんが目を見開き立ち上がって叫ぶ。

なにこのシックスセンス。 っていうか、これがシックスセンス?

周りの人に迷惑だよ。座りナヨ。立ったまま寝るなよ!


まこたん恐るべし 




---まこたん side---


目がさめた。


電車乗ってからずっと寝てたようだ、電車で寝るなんて俺初めて、まいっちんぐ。


俺が寝ている間に何をしていたのか聞いてみると、ポーカーとか古今東西とかいろいろやってたそうだ。


俺寝てたのに、ひどい。ひどすぎるよ。


『 俺寝てたのにヒドイじゃないの 』


言うと皆が笑い出す。

何故だか聞いてみると、ポーカーに勝ったり王様になったり古今東西して叫んだり。

迷惑な事をしたようだ、だが気にしない。


それがこの俺まこたん。


『 寝るのが悪いんだよ、でも王様になったんだからいいじゃねえか 』


と海苔


『た たしかにぃ』


するとPIEが


『でも全部覚えてないんだったら意味無いじゃない』


海苔が「うわ」という顔をした、まずい事言ったよな。


少しの沈黙の後俺が

『 まあアレだよ、イベントの前の日は眠れなかったりするのは仕方ないと思う 』


『 でも電車内で寝るのもどうかと思う、叫ぶのもどうかと思う 』


『 ちくしょうピエ! ピエちくしょう! 』


『うるさい…』


『ミスターごめんなさい』


『ごめんなさいミスター』


すこし不機嫌なMr.に謝るPIEと俺、ちょっと怖いよMr.




しかし… 俺が、俺が、この オ レ が

寝たまま喋ったりできるとは思わなかった。

何があったんだろうか、某Gのアレかな、幽閉されるアレかな。


そしてPIEに言ってみた。

『 新たなる人類のなんとかってやつだよな 』


『君何言ってるの』


なんだか全てを否定された気分になった。


着くまで寝よう


『 PIEちくしょうおやすみ 』 



---Mr.side---


〜回想〜

久しぶりにチャットへ・・・

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Mr:Hello。

縞:Mrやん

PIE:これで全員揃ったな  こん

まこたん:みすたーこん

海苔:こん

PIE:Mrはどこ行きたい?

Mr:何が?

縞:何がて・・・ 今度のオフ、旅行行くって言うてたやろ

Mr:え、何の話? 俺、そんな話聞いてない


 * * * * *

縞:それじゃどうしようか、今度のオフ会@一泊旅行


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この会話がされたのが、オフ2日前

正確には前々日の夜


オフ会の相談自体は、一週間近く前からやってたらしいが・・・

PIEは縞さんが、縞さんはまこが、まこは海苔が、海苔はPIEが

それぞれ、俺に連絡したものと思っていたらしく

俺は何も知らされないままチャットに入ったわけだ


親を誤魔化すのに、どれだけ大変だったことか! 




---縞side---


「 ついたどおおおおお! 」


電車にゆられ、乗り継いで数時間、やっと目的地への最寄り駅に到着した。


今は朝の10時、チェックインまでまだまだ時間はあるが荷物だけ旅館に預かってもらう事にした。


「 うぐふー重たいー・・・ 」


「なぁ、海苔それちょっと持ってきすぎやろ。

一泊なのになんでそんな鞄がはちきれんばかりにパンパンなんよ 」


「 なんか入れてたらこうなった・・・

なんで皆はそんなに軽そうなん!おかしいやん!理不尽やん! 」


どうやら海苔は一泊旅行というものに慣れていないらしく、

明らかに3泊はできそうな荷物をひきづりながら改札口までたどりついた



「 なー、まこたんいつトイレからかえってくるん 」


私はまこたんの姿が見当たらないので、皆に聞いてみたしかし、皆そろって肩をすくめるばかり


「 っていうかいつトイレいってたんですか、私知らないですよ、

私の知らない間にまこたんいつトイレいったんですか 」


まこたんの保護者的存在のPIEが首をかしげている


「 え!?まこたんってトイレやろ?トイレちゃうの? 」


「 おちついて、俺は海苔の後に電車を出た。PIEと縞さんはいつ電車を出たんだ? 」


「 私はMrの次にでましたよ 」


「 私はPIEの次に、まこたんは海苔より先に出たんじゃないの? 」


「 いや、俺が出た時はまだ誰も出てなかったよ 」


「 ・・・・・・・・・ 」


改札口の前で一瞬の沈黙が流れ、皆の視線が今まで乗っていた停車中の電車へと動く


「・・・ま・・・まさか・・・! 」


” 長らくお待たせいたしました、新快速KAMITASO間もなく発車いたします--- ”



そのアナウンスと共に全員が走り出した。


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