◆霧幻-mugen-◆ -へび- 頭をおさえながら身を起こし周りを確認する 暗いが普通の風景と変わらないソコは、車はおろか人一人通っていなかった。 「・・頭 痛い・・・・」 頭に手を当ててみると血がでていたが大したことはなさそうだ、そう思いたい 今吸い出て来たドアは閉まっていた。 ドアを開けようと押したり、引いたり、横に引いてみたりして試みたがピクリとも動かなかった とりあえず何かドアを壊せるものはないか、探してみることにした。 目の前には汚くもなく、綺麗でもない川が流れていた、その川をながめつつ何かないかと物色する。 すると細い鉄骨らしきものを発見した、硬い鉄骨でならもしかしたらあのドアを壊せるかもしれない。 そんな期待を持ちつつ恐る恐るズボンを捲り上げて川の中へはいり鉄骨の方へと向かう オイ 心臓が一瞬口から飛び出るかと思った。太く低いその声は背後から聞こえた気がした おそるおそる振り返ってみるとそこには蛇が一匹水面から顔をだしていた 「? 今確かに声が聞こえたはずなんだけど・・・・きのせいなのかなぁ・・」 当たりを見回してもみたが、誰もいない きのせいにしてはあまりにリアルな・・・と蛇を見つめつつ、そういえばこんなところに蛇なんているんだなぁ などと悠著なことを考えてみる。 女の子なら普通ここで悲鳴をあげて、ギャーギャーいいながら逃げるところなんだろうが、 爬虫類が苦手ではない私にとってはそれはただの生き物でしかなかった 「よし・・・これがあれば・・・」 ドコヘイク まただまたあの声が・・・やっぱりきのせいではなかったんだ 怖い! 鉄骨をつかみ川から急いで出ようとする、すると何かが服のすそを引っ張った。 蛇 だった、蛇が服のすそをくわえつつ静かにこちらを見据えている。 ドコヘイクンダ 耳を疑った、今確かに蛇がそう言った イク アテガナイナラ キョウ タノシイ コトガアル イッテミルトイイ イッテミルトイイ 蛇はそういうと笑うかの様に水面をとびはねて そのまま消えていった。 蛇が見えなくなった途端、その場にへたり込んでしまった 「しゃべった・・・今 蛇しゃべった、ぇ?ぇ?何、なんなのここ!」 自分がおかしくなったのか、蛇がしゃべるなんてありえない、おかしくなった? 「帰ろう、早く・・・とにかく、帰ろう」 鉄骨を引きずりながら、ドアの方へ走った。 ← *→