◆霧幻-mugen-◆
-クチ-
校内を歩いてみたが、やはり人の気配はない。
教室なども鍵がかかっており、中に人が入っているような気配は感じれなかった。
先ほどまで人がいたはずなのに、気のせいだったにせよ気味が悪い・・・・
「でも真暗よりは明るいほうがちょっとは安心よね・・・・・・
それにしても、お腹 減った・・・」
こんな時でもちゃんと時間通りに空腹を感じてしまう体が少し忌々しい
こんなところ何が楽しいんだか・・・苦々しい目で窓の外に視線を動かす
「・・・・・ん?なんだ あれ・・・」
目を細めてよく見てみると、薄明かりの中で何かがうごめいている、
だんだん目の視点が合いそこが明るくなっていく
すると、人が何人か踊っているのがわかった。かすかだが小さく笑い声も聞こえてくる、実に楽しそうだ
「あぁ・・・あの子供が言ってたのはアレの事な・・・・!?」
明るくなるにつれて、その人々の顔が他のとは違うものであることがわかってきた、
顔が 無い
いや、顔がないというのは少し表現がおかしい
細かく言えばクチ以外がない
唯一残されているのは笑い声を高々と上げているクチだけ、クチだけが大きく開けられ
異常に大きく開けられ、笑っている
信じられない光景にその場に立ちすくんだまま足が地面から離れない
早く、どこかへ・・・見ちゃいけない、見てちゃいけない
その時、クチだけの人間の一人がこっちに気づいた様子で走ってきた
その一人につられて他のクチ人間も走ってくる。
ぁ・・・あ・・・来ないで!
無我夢中で走った、後ろからは笑い声が追いかけてくる
それは明らかに自分より早く走り、どんどん近づいてくるのがわかる
息があがってきた、このまま走り続けれる自信がない
隠れないと!
角を曲がった所で何かの部屋の中に入った
息を一杯吐いて吸いたい気持ちからか、息を潜めないといけない恐怖感からか
心臓が喉からはみ出てきそうなくらいに波打つ
汗も冷たい
笑い声が通り過ぎてくれる事を一心に祈りながら、
通り過ぎるのを願った
でてきそうな心臓を飲み込みながら
ただひたすら待った
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060507
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