の事情

-怪事件編-


【2】



「 なぁ、ひゃひゅき。この前ほこった事故おはえも知ってふよな? 」



「 あー、なんかこの前テレビでみたけど、やらせだろどうせ 」



「 はれって、このまひのちひゃくらひいひょ 」



「 ・・・咲、なんでもいいけど今日コンビニで半額でなおかつお茶と一緒に買えば

50円引きだった特大やきそばパンを口の中一杯にほおばって

俺の机の上にパンくずをこれでもか!と落として喋りかけるのやめてくれないか 」



おっとこれは失礼と言ってペットボトルのお茶をグビグビ音をだして飲んでいるのは


いつのまにか葉月と一緒に小さい時から遊んでいた村田 咲だ。


葉月曰く ”いい奴なんだけど、ちょっとそそっかしい。ついでに言うと天然 ”


そんな咲の隣で咲の汚れた口元をティッシュでふいているのは咲の彼女の小波 彩で


みんなからは小波という苗字からとって「こぱ」と呼ばれている。




「 んもう〜咲ちゃんったらそそっかしいんだから本当にぃ〜

もう高校2年生なんだから、ご飯くらい綺麗にたべなくちゃぁ 」



「 いいよぉ〜汚したらこぱにふいてもらえるもん〜 」



「 もう〜咲ちゃんったらかわいいんだからぁ〜っ 」



この毎度殺意を覚えるやりとりを近くで聞いてきた葉月は彼女いない暦16年


この鶏のとさかみたいな髪型でそそっかしい男に彼女ができて


何故俺にはできないのかとか、そんな事を考えるのにも葉月は最近飽きてきた。



「 ねぇねぇ咲ちゃんそういえばさっきの話、この近くって本当なの? 」



いちゃつき合うのが終わると、こぱは咲に聞いた




「 そうそう、この近くでさ、しかも窓ガラスが割れたのって

俺らが通ってた中学校の生徒の家らしいぞ 」



「 え?まじで?それじゃかなり近くって事じゃないか 」



葉月が興味を持った事で咲はさらに話を進め始めた



「 しかもその後、朝気づいたら木が何本か倒れていたり

夜中に歩いていた人が何かに襲われたりと次々に怪事件が起きているらしい 」



「 え〜・・・それってすごく怖いじゃない・・・どうしよう

私最近塾で帰り遅いのに・・・怖い・・・ 」



こぱがうな垂れると咲は突然イスから腰をあげ


あろうことか昼休みでにぎわっているクラスメートの目の前でこぱを抱きしめた



「 大丈夫!俺が、俺がこぱを全力で守るから!絶対守るから!夜に送り迎えするから! 」


「 さ・・・咲ちゃん・・・ 」



” なんだこのラブコメのワンシーンのような馬鹿馬鹿しいやり取りは・・・ ”


葉月はその場にいるのが恥しくなり硬直した教室をとりあえず出た。




トイレに行って、ボーっとしながら廊下を歩いていると、後ろから肩を叩かれた



「 こんにちわ葉月さん、何だかすごくつまらなさそうね 」



「 あ、花梨さん。こんにちわ 」




慌ててふりむくと、葉月の神社で巫女のアルバイトをしてくれている花梨さんがいた


花梨さんは葉月より一つ上で今、高校3年生


髪の毛は肩までもなく、そろっていてなんとなく日本人形みたいな髪型だ


そんな髪型だからか巫女がものすごく似合う。


しかも胸が大きいから、この学校でも狙っている男子生徒は数多い



「 いや〜俺の友達が彼女といちゃいちゃして、居場所がなくなっちゃったんですよ

だからとりあえず廊下を歩いてたんすけどね 」



「 あらそうだったの、大変ねぇ葉月さんも 」



そう言うと花梨さんは綺麗にそろえられた髪の毛を揺らしながら屈託のない笑顔でクスクス笑う


この人がすごくモてるのは、こういうかわいらしい部分もあるからだろうなと葉月は思った。



「 そうそう、縞さんが葉月さんに学校の帰りに鯖の水煮缶を

買ってきてほしいってメールでいってましたよ 」



「 えー、なんで俺に直接いわないんだよあいつ。 」



「 なんか葉月さんにも送ったけど、返事がないから

一応いっておいてほしいみたいな事メールに書いてましたよ? 」



言われて携帯をズボンのポケットから出して開けてみる


確かに一通新着メールがきていた。




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AM11:09
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件名:おいこら
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本文

鯖水煮缶
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・・・・・・


何これ、これじゃ気づいててもわからないよ



携帯を渋い顔でみつめていると



オチをつけるように、昼休み終了のチャイムがなりはじめた。




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